一生自分の歯を保つのはなかなか難しいことです。多くの方が、年齢とともに徐々に歯を失い、苦労されています。
しかし、定期的に検診を受け、歯周病の原因となる歯石や着色を落とす(だいたい半年に一回くらいが目安と言われています)ことが歯の長持ちにつながるのです。
もちろん、虫歯を早期に発見して、小さいうちに治すことも大事です。当クリニックでは、虫歯や歯周病で悪くなった部分を治療するだけではなく、健康な状態を維持する事が重要であると考えております。
口腔内のチェックや虫歯・歯周病の検査、定期清掃を行うことはもちろん、当クリニックでは歯磨きや食生活の指導、禁煙支援、かみ合わせの調整なども行っております。
当院では「唾液検査装置 SillHa シルハ」を導入しており、精密な検査をし予防歯科に役立てています。
この検査は採取した唾液から、虫歯、歯周病、口腔清潔度などの全6項目を約5分という驚きの短時間で測定し、現在のお口の虫歯リスクや歯周病リスク等を判定する画期的な方法です。
測定結果をレーダーチャートに反映し、ビジュアル化することで、 自覚しづらい口腔内の状態を、客観的なデータを通じて把握することができます。
採取した唾液を専用装置と検査キットを用いて、口腔内トラブルに関係が 深い6つの項目を5分で同時測定します。
将来のリスクを早い段階で予防することで、ご自身の歯をなるべく長く保てるようにしましょう。
・虫歯菌
虫歯菌が多いと、歯の表面に歯垢(プラーク)が付着しやすく、虫歯になりやすくなります。
・酸性度(口腔内のpH)
唾液の酸性度が高い(唾液のpHが低い)と、口腔内の環境は酸性になり、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすく、虫歯の進行が早まります。
※pHとは、酸・アルカリの度合いを示した数値です。
・緩衝能(かんしょうのう)
唾液には虫歯菌や食物由来の酸を中和する機能「緩衝能」があります。
この働きが弱くなると、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすいことが知られています。
・白血球
歯と歯茎の境目である歯周ポケットで細菌が増加してくると、生体の防御反応により唾液中の白血球が増加することがわかっています。
・タンパク質
口腔内の細菌や歯垢(プラーク)の影響によって、唾液中のタンパク質が多くなることがわかっています。
口腔清潔度に関する項目
・アンモニア
口腔内に細菌数が多くなってくると、それと同様に唾液中のアンモニアも多くなることが知られており、口臭等の原因になってしまいます。
バイオフィルムがホームケアで除去しきれないといっても、バイオフィルム形成を予防するためには、やはり日々のホームケアが基本となります。また、正しい食生活と規律正しい生活など基本的なことが重要となってきます。簡単なようですが、本人が自覚をもって取り組まないとむずかしくなります。
●デンタルフロスの利用
●マウスウォッシュで口腔内の洗浄
●フッ素配合の歯磨き粉で歯質強化
●規則正しい食生活
プロフェッショナルケアでの重要な点としては定期的な検診とPMTCなどの処置によるリスク管理になります。虫歯リスクの判定やブラッシングの指導など、一人ひとりに合った適切な指導を受ければ、長期にわたって健康な歯を維持することが可能となります。
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningといって、歯科医師や歯科衛生士による専用の器具を使ってご家庭での歯磨きでは落としきれない汚れ(バイオフィルム)を落とします。歯と歯ぐきの間や歯と歯の間など、歯ブラシが行き届かない場所は必ずあり、磨き残しができてしまうものです。 PMTCは歯の病気を予防し、着色や口臭をなくすため、健康な口腔内の維持に効果的です。
プラークが石のように固まってしまったものを歯石といいます。 強力に歯に沈着しているため、歯磨きでは落とすことが出来ませんから定期的に歯科医院で専用の器具を使って落とすことが望ましいです。
フッ素には、歯質を強化する働きや、再石灰化を促して初期虫歯を治癒する作用があります。 ご家庭では使えない高濃度のフッ素を塗布します。低濃度のフッ素が入った家庭用の歯磨剤と歯科クリニックでの高濃度のフッ素塗布を組み合わせていくと効果的です。
歯の磨き方はその方の歯並びや年齢によって異なってきますので、あなたのお口に合ったお手入れ方法をプロフェッショナルがご指導致します。